健診で胸部異常陰影といわれたら
健診の胸部レントゲン写真で「異常あり」とされた場合には、精密検査(具体的には胸部CT検査)が必要となります。ここで、慌てて欲しくないのが、胸部レントゲン写真で異常ありとされても絶対に異常があるわけではないということです。本ホームページの肺癌CT健診のページを見ていただくと分かりますが、胸部レントゲン写真は影絵であり肺内のものがきれいに見えるわけではありません。また、健診という病気を早期に見つけるという観点、また、見落としを減らすという目的から、影が強調されるように撮影され、読影する医師も、ちょっとでも気になる所があり、正常か異常か迷うようなものはどんどん異常としてひっかけ精密検査に回し、見落としを極力減らすようにしています。こういった背景から、異常ありとされたということで精密検査に訪れた方で本当に異常のある方は一部の人です。
結果として異常のなかった方の中で、健診で要精密検査とされる一つの例としては「合成像」があります。レントゲン写真では肺の中を走る血管や気管支と肋骨の影が重なりあい、円形の影があるように映ったりします。また、女性で(時に男性でも)乳頭が円形に映り肺内の腫瘤と迷うことがあります。このほか、肋骨が少し太い場所があったりすると(これは病気ではありません)、そこが濃く(周囲より白く)映ったりして異常があるように見えたりします。しかし、これらは全て精密検査(CT検査)の結果分かることであって、本当に肺内に異常があるのとレントゲンで判定できません。最近のCTは短時間で(3分くらい)で撮影も終わり、被爆量も低減されてます。大きな病院に行くと、初診で来院した理由を聞かれCT検査の予約をとり、別の日にCT検査を受けに行き、後日結果を聞きに行くというスケジュールになることが大半です。
当クリニックでは、初診時にすぐCT検査を行い、10分後くらいのは結果をお知らせすることができます。「異常あり」とされたら、どきどきして長い期間を過すより、まず検査を受けにいらしてください。