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院長が考える長生きのコツ

現代医学ではまだ全ての病から助かることは不可能です。医療は日々進歩していますが、稀な疾患、難治性の疾患は存在し、残念ながら罹ってしまうこともあります。しかし、かかりやすい病気(死因として多い病気)に対して予防や早期発見のための努力をすれば、かなりの確率で長生きできます。

下表左を見てください。日本人の死因です。上位は稀な疾患ではなく、よく聞く一般的な病気であり、ある程度防ぐことが出来ます。心疾患・脳血管疾患と言うのは脳や心臓の動脈が詰まったり破れたりする疾患がほとんどで、確かに発症は急で死亡率も高いですが、高血圧・糖尿病・高脂血症等のいわゆる生活習慣病をほっておいたり喫煙を続けたりして血管が痛んで起きるものです。これらを危険因子(リスクファクター)と言いますが、これを持っていなければ発症は抑えられます。勘違いしないで欲しいのですが、たとえ高脂血症や糖尿病と診断されても、食事療法や薬で数値を危険な数値以下にしておけば、これらリスクを持っていないことになります(だから医師は治療を勧めるのです)。

がん

 

死因第1位はがんで、がんの中でも多い部位の上位3位は肺と胃と大腸です。(順番は男女で違いますが)
肺がん・胃がん・大腸がん、これらに予防法はありません。しかし、幸いこれらのガンは稀な一部を除いて進行は皆さんが思っているよりゆっくりです(ガンと言うのは慢性疾患です)。したがって、ガンになっても早期に見つけ切除してしまえば治ります。一年から二年に一回検査を受けていれば大丈夫です。

3位は肺炎ですが元気な人が肺炎で死ぬことはまずありません。これは、高齢や認知症や脳血管障害で寝たきりになった方が最後は肺炎になることが多いからです。つまり、肺炎での死亡はある程度高齢でのことであり寿命を全うしたケースが多いのです。


具体的に言うと、禁煙し、血圧・コレステロール・血糖値を良好に保ち、1から2年に一回、肺CT、胃カメラ、大腸カメラを受ける。これによって、日本人に多い死因の約半分から逃れることが出来ます。
全ての病から逃れて永遠の命なんていう夢は捨て、稀な病気になったらしょうがないと割り切り、頻度の多い死因の病気から逃れましょう。

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